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- 2025/09/29
- 肩の痛み
「腱板」について
腱板(けんばん)という言葉をご存知でしょうか?
腱板というのは、4つの筋肉の腱が集まっている部分の事を言い、
4つの筋肉とは、
1、棘上筋
2、棘下筋
3、小円筋
4、肩甲下筋
を表します。これらの筋肉は総称して「肩のインナーマッスル」とも呼ばれています。
これらの筋肉群は主に肩関節の安定に働く筋肉群で、
具体的に言えば、上腕骨という骨を肩甲骨に引き寄せるという役割を行います。
またインナーマッスルと対称的な役割を行う「アウターマッスル」という筋肉も存在します。
この「アウターマッスル」はインナーマッスルが上腕骨を身体側に引き寄せるような効果に対し
上腕骨を身体から離すような力を加えやすく(厳密には少し意味が異なります)
インナーマッスルとアウターマッスルのバランスが良い状態に保たれていることで
肩関節の健康状態の維持となるのです。
このバランスが、
「インナーマッスル」<「アウターマッスル」というバランスに偏る事で
肩を傷めるということが起きやすくなるのです。
・腱板損傷、腱板断裂について
腱板損傷、断裂は文字通り、腱板(特に末端部)が損傷したり断裂する事です。
ここで言う腱板は「棘上筋(きょくじょうきん)」という筋肉を指します。
「棘上筋」は肩の関節で上側に存在している筋肉です。
今回お話する肩の上側の痛みは、この棘上筋が走行しているためこの辺りに痛みがでるという事になります。
いずれの場合においても見られる特徴的な症状として
・腕を上げた際の痛み(特に60°〜120°くらい)
・腕を上げたまま保持できない(ドロップアーム徴候)
が特徴的な症状となります。
また
・腕を動かす特定の動きで「ゴリゴリ」といった音がすることがあります。
・肩に力が入らないことがあります。
・夜間に痛みが増強し、睡眠を妨げられることがあります。
・物を持ち上げるのが困難になります。
これらの症状も起こることがあります。
腱板損傷の対処法
腱板損傷の対処法はまず肩の安静を保ち、湿布や内服薬、注射で痛みを和らげる保存療法が中心になります。
日常生活では重い荷物を持ち上げる、遠くや高い所へ手を伸ばす、腕を強くひねる、急な動きや肩を大きく後ろに回すなどの動作は肩に負担をかけるので避けましょう。
腱板損傷のリハビリとして安静・アイシングから始め可動域訓練、筋力トレーニングへと進みます。リハビリの目的として痛みの軽減、肩の安定性向上、および肩機能の回復です。
トレーニングとして初期の痛みのない範囲での可動域訓練から始めましょう。
具体的なトレーニングとして、振り子運動や肩回しなどのストレッチ、ゴムバンドを使ったインナーマッスルの筋力トレーニング、肩甲骨の動きを改善する運動があります。
可動域訓練(初期)
身体を前傾させ腕をぶら下げて小さな円を描くように動かしましょう。
また痛みのない範囲で肩を回したり腕を上げ下げする運動も効果的になります。
筋力アップ(中期以降)
肘を体に沿わせたまま前腕を内側、外側に動かす運動や、腕を横に開く運動を行いましょう。
また座った状態で肩甲骨を背中に引き寄せる運動や、肩甲骨周りの筋肉を動かす意識を持つ運動が重要になります。
機能訓練(最終段階)
デスクワークやウォーキングなど日常的な動作を行いながら肩の機能を回復させます。
・当院での治療