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スポーツ中の肘の内側の痛み ~ゴルフ肘について~
- 2025/09/25
- 肘の痛み
こんにちは!


今回は肘の内側の痛み、ゴルフ肘について書いていこうと思います。
ゴルフ肘とは正式には上腕骨内上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)と呼ばれる疾患になります。

内側上顆といわれる内側のでっぱりの部分に痛みを起こします。
手首を手のひら側に曲げたりひねったりする動作を繰り返すことで肘の内側に痛みや炎症が生じる疾患になります。ゴルフのスイングで発症することが多いためこの名で呼ばれますが、ゴルフをしない人にも起こります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は聞いたこともあるかもしれません。テニス肘は肘の外側に痛みが起こりますがゴルフ肘はその反対に痛みが起こる疾患になります。外側上顆炎に比べると発生頻度は比較的低いとされています。
その理由として、伸筋群(手首を反らす)筋肉が屈筋群(手首を内側に曲げる)より弱いため過度のストレスに対する耐久力が弱いと考えられています。
手の頻回使用により、屈筋群に慢性の外的刺激が加わり、屈筋、回内(ドアノブを握って内側に捻る動作)筋群の腱線維の微小亀裂が生じさらに周囲の線維化や肉芽形成が起こってくると考えられています。
この変性円回内筋・撓側手根屈筋移行部に初発すると言われており、内側上顆へのストレスが持続すると内側上顆付近に石灰化を伴ったり滑液包炎を生じより難治性となります。
特に物を持ち上げたり、手に力を入れる動作時に疼痛が増強する疾患です。
ほとんどの症例は保存療法で痛みは軽快します。
主な原因
・スポーツのしすぎ
ゴルフのほかテニスのフォアハンド、野球、ボーリングなどで手首や指を酷使すること
・不適切なフォーム
特にゴルフ初心者の方や中級者に多く、手首の力に頼りすぎる、グリップを強く握りすぎるなどのスイングフォームの乱れ
・日常生活での動作
デスクワークでのパソコン作業、重い荷物を運ぶ、タオルを絞る、工具(ドライバー、とんかちなど)を使う、フライパンを振る、長時間のスマホ操作など、手首や指を繰り返し使う
・加齢
40~50歳代に多くみられ、加齢に伴う筋肉や腱の柔軟性の低下も一因になります。
内側上顆炎の症状
肘内側の痛み
肘の内側の骨の出っ張りを中心にズキズキとした痛みや圧痛がある
前腕への痛みの広がり
痛みは肘だけでなく、前腕や手首まで広がることがあります。
動作時の痛み
物を握って持ち上げる、手首を捻る、肘を曲げ伸ばしする、タオルを絞るなどの動作で痛みが強くなります。
握力の低下
手や手首に力が入りにくくなり、ペットボトルの蓋が開けづらくなることもあります。
これらの症状がある場合内側上顆炎の疑いがあります。
内側上顆炎はどの筋肉が原因になるのか?
ゴルフ肘の原因は指や手首を曲げる筋肉のグループである前腕屈筋群の使いすぎ(オーバーユース)にあります。
これらの筋肉はゴルフ肘の正式名称である上腕骨内側上顆炎の原因となる、肘の内側の骨に付着する腱に炎症を引き起こします。
具体的な筋肉として撓側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)、尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)など指や手首を曲げる際に使われる筋肉で、これらの筋が肘の内側の骨に付着しています。

また写真にもある円回内筋(えんかいないきん)も痛みに関わります。円回内筋は前腕を内側に捻る際に使われる筋肉でゴルフ肘の原因となる筋肉の一つになります。
ゴルフ肘の予防と対策
スイングフォームの改善が大切になります。手打ち防ぎ体幹を意識したスイングをしましょう。またグリップを握る力も適度に緩めることが大切になります。
グリップではグリップの太さやクラブの長さを自分に合ったものに調整することも肘への負担を軽減できます。
またストレッチや筋力トレーニングで肘への負担を軽減できます。
前腕の屈筋群のストレッチを行い肘への負担を軽減しましょう。
このように前腕の前側がしっかり伸びていることを確認しながら運動前、運動後にしっかり行いましょう。
またトレーニングでは肩・体幹の筋力トレーニングが効果的になります。
しっかりお腹に力を入れ腰が落ちないように行うことが大切になります。
当院はジムも併設しているため必要なトレーニングなどの指導もできますので気になる方はお気軽にご相談ください。
当院でのゴルフ肘に対する治療
1.マッサージ治療
痛みを起こしている原因の筋肉はかなりの緊張感(張り・凝り)を持っています。
まずこの筋肉の緊張感をマッサージで取り除きます。
2.物理療法(電気治療)
当院では低周波治療は行いません。
プロのアスリートが使用する、深層筋(インナーマッスル)まで到達できる特殊な周波数の電気治療器を使用し、痛みの原因となっている筋肉はもちろん、2次的な原因となっている他の筋肉などもしっかりと治療し、すべての原因を取り除きます。
体幹の軸・脊椎の動きをリリースすることにより、ショットの飛距離アップ・コントロールアップも期待できます
通電することにより筋力トレーニングにもなりますので、再負傷を予防する効果もあります。
3.テーピング
負担のかかっている筋肉に沿ってテーピングを行うことで、負担を軽減し治癒を早めます。
痛みを予防するために行う場合もあります。
4.サポーター
筋肉の付着部の手前でバンドを締め、筋肉の付着部にかかる負担を軽減します。
プレー中の痛みを軽減するのと、再発予防に効果的です。
このように、治療を行っていきますが、手指や前腕の筋肉は日常生活で非常によく使うため、日常での負担の大きい場所です。
シップや痛み止めなどで、だましだまし生活するのではなく、生活サイクルや運動頻度を考慮した治療計画をたて、なるべく早めに治すことで快適にゴルフを楽しんでいただきますようお願いいたします
大阪市東住吉区にあるスポーツ専門治療院
針中野フィジカルケア鍼灸整骨院
スポーツされていない方も多数来院されていますのでお気軽にご相談ください。
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